こうれい研

 

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〜 第8回 こうれい研まつり 開催報告 〜
「歳を重ねるってこんなに素敵!」

平成22年2月13日(土)久留米信愛女学院短期大学コラボレーションプラザリリウムにて開催しました

○第一部 活動報告と記念講演
<これまでのタウンモビリティの活動と福祉マップの作成報告>

こうれい研代表理事 吉永 美佐子氏

1988年よりタウンモビリティを行っている。H10年にこうれい研で様々な職種が集まって研究会を始め、H11年に法人化した。FJCの育成、タウンモビリティの研究、ケアマネジャーの研修等を行っている。

あるときデイサービスの利用者と一緒に居酒屋へ行き、みんな大いに盛り上がった。それが1回が年に数回になり、月に一回になり・・・。そうこうしているうちに2005年に六角堂で常設サービスができるようになった。

高齢者や移動の困難な方への電動スクーター、車いす、ベビーカー、シルバーカーの無料貸し出しを行っている。

利用者は、送迎をしている利用者のみでH15年250件〜20年600件超。無料貸し出しを含めるともう少し多い。

生きる喜びをもてるようにしたい。歳をとっても、障害をもっても、誰しも同じく楽しい生活を、同じように送れることの大切さを伝えたい。世代間交流が町に潤いをもたらす。

【学生より】

タウンモビリティの3つの目的とは(1)高齢者、障害者の外出や社会参加の支援。(2)中心市街地の活性化。(3)バリアフリーの街づくり。関わっているのは主に学生ボランティア、主婦、送迎ボランティア、六角堂スタッフ等。

周辺環境に変化が起こってきた。以前は、タウンモビリティ利用者に対する入店拒否などもあったが、今は街の理解も深まり、雰囲気も少しずつかわってきた。

活動の内容は、ボランティアスタッフとの買い物、美容院、昼食、自宅までの送迎など。また、年間を通して、土日を中心にさまざまなイベントを行っている。1月にぜんざい会、4月にお花見、7月に七夕、押し花教室、陶芸教室等々。

利用目的についてアンケート結果から見ると、人とのふれあい、若い人(学生ボランティア)のエネルギーをもらう、気分転換、障害について周りの人にもっと知ってもらう、短い距離でも歩くといった簡単な運動、外出の楽しみ、会話の楽しみ、交流の楽しみ等。

学生の立場からの活動中の喜びは・・・

ひとつは技能の向上。コミュニケーションがとれるようになっていったこと。「つるべえ」の操作や車椅子操作が上達した。車いす介助、食事介助ができるようになったこと。

もうひとつは心境の変化。今までは気にしていなかった、障害者のための設備に関心を持つきっかけとなり、自立を尊重した対応をするようになった。また、人を思いやる心が芽生え、障害者や高齢者の視点からも物事を見ることができるようになった。

<記念講演 高齢者の外出活動と交通〜その事例>

九州大学大学院工学研究員 環境都市部門
都市システム工学 准教授 大枝良直氏

交通計画(買い物交通、レクリエーション交通、高齢者、長距離交通)、交通工学(歩行流、歩行特性、車椅子、エネルギー効率)等を専門に研究している。

高齢者の外出行動をコミュニティバスを例にとって、私たちの活動分野の紹介をしたい。

福岡県宗像市のコミュニティバス。民間バス路線以外の地域をカバーするもので、主に高齢者を対象として、市内の公共施設、福祉施設を利用できるよう運行されている。

当初、利用客は非常に少なく月の利用者が300人で、年間3000万の赤字であった。

私たちが考えた赤字改善へのポイントと条件は次のようなものだ。

  • 0.利用目的の把握(基本方針の設定)
  • 1.ルート
  • 2.運行頻度とスケジュール
  • 3.料金
  • 4.PR

そして、検討するときの前提条件は既存の民営バス会社の運営に影響を与えない(特に路線バスと競合しない)ことである。また300円という一般料金を下げると、民間バスより安くなってしまうので、料金を下げることもできない。

その結果、できた基本の改善計画は次のようなものである。

  • 1 もともとの公共的な施設のある目的地以外に生活に関係ある施設、主だったショッピングセンター、余暇活動のための施設、病院等を利用できるようにする。
  • 2 現在の路線の3つのうち、2つを循環型で順・逆の2路線にする。(既存民営バス路線以外であるからかなり遠回りになって目的地に着くのに時間がかかる。これを少しでも解消するため。時間短縮)
  • 3 他の交通機関、鉄道駅、バスターミナルなどに必ず結節できるようにする。(市内だけで活動するわけではないのに、以前はうまく結節できていなかった)
  • 4 目的地の状況に応じたタイムスケジュールを組む (たとえば施設が提供している時間にうまく合うようにする)
  • 5 宣伝を十分にする。(商業施設など、人が多く利用する施設で時刻表やバス)

循環型の路線を作って、タイムスケジュールを変えた。往復数を変えた。そして一般料金を200円に下げた。

改定後、利用者は3000人が6000人以上、と倍に増えた。正直なところ、この計画がうまくいったと聞いたとき、正直、驚いた。

要因は時間短縮?目的地が増えたこと?他の交通とのアクセスがよくなったこと?何が原因なのか?

工学的(定量的)にアプローチすると、「施設の配置やサービス⇒人間の反応、判断、認識⇒行動」に繋がった、というようにみることができる

政策や計画などを行うにあたって、その効果を測定することはバリアフリーを考える際にも必要なのではないか?施設などのハードを考える時、コンセプト(概念設計)からすぐに詳細設計、となってしまうが、本当はその間に機能設計(基本設計)が必要なのではないか?

■第二部 ワークショップ「こんなことができたらいいなぁ」

このワークショップでは、人生の第三ステージを自分らしく楽しく過ごすために、未来のサポート体制をみんなで考え、提案しようというもの。

10月17日にバリアフリー調査を実施した。日本国憲法に、すべての国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する、国は全ての生活場面について社会福祉、社会保障・・・と書いてある。それを最低限の生活と考えたとき、高齢化社会の中でどう考えられるだろうか?

マズローの人間の欲求(自己実現理論)から見ると

  • 1.生存の欲求(生命維持)
  • 2.安心安全の欲求(セーフティネット)
  • 3.所属・愛の欲求(孤独感・ウツ)
  • 4.承認の欲求(事故尊重)
  • 5.自己実現の欲求(達成感)  とある。

自己実現の欲求を満たすことが達成感につながる。先ほどのタウンモビリティの学生の発表でもあったように、タウンモビリティの参加者の方は、まずどうしたいのか自分で考えて、自分で動いていくようにしている。それをタウンモビリティでも実践しようとしている。デンマークは「共生」を、日本は「競争」を選んできた。高齢化して、車に乗れなくなる時がやってくる。そうなると車社会に合わせて作られた大型ショッピングセンターに出かけられない。新興住宅地はすたれ、地域の中で取り残される人たちがでてくる。

私たちがやったバリアフリー調査、マップづくりというのは、床が平らで段差がないかどうかどうかをみるということではない。

以前、イギリスのマップを見せてもらった。そこにはその街のなかで何かをしたいと思ったときに、どこにトイレがある、どの路線にのってどこに行ける、といったようなことがお店にいたるまで使う側の立場に立って書いてある。それによって自分の地域の再発見、コミュニティの再発見、都市のあり方、生活のあり方を見直すきっかけにもなる。

< 発 表 >

★ 生き生きグループ
  • 気楽に外出したい。(旅行、お墓参り、お見舞い) ⇒予約なしにさっと外出したい。
  • 休憩できるスペースがほしい(商店街)⇒いすがない商店街が多い。
  • 予約なしでガイドヘルパー等の手を借りたい。機材はあっても人がいないと使えない
  • 店先に障害者用トイレがあるかどうかの表示をしてほしい。(入店する前に知りたい)
  • 使いやすい位置にスロープを設置してほしい。
★ つながりグループ
  • 人と人とのつながり 世代間交流
  • 高齢者を支える若者を育てる仕組みづくり
  • 体が不自由になってもやりたいこととしては,、友達と食事やショッピング、映画、今の生活を続ける、魚釣り、旅行(海外)、アウトドア、料理をつくる(友達と)
  • 大事なことは、「やりたいことを若者と一緒にする」こと。つまり将来も安心できる社会、経験を伝えられる社会を目指す、ボランティアの育成 、地域コミュニティへの発展.共生社会で明るい未来を!
★ ほたる川グループ
  • 焼き鳥屋に行けるような、すべての年代(人)を通じて楽しめる街づくり
  • 車いすでバスに乗ろうとするとするとバスの運転手が降りて手を貸してくれるが、気を使う。
  • 車がないと困る社会。車社会が阻害している。
  • 市街地は車乗り入れ禁止?歩道が狭く歩けない。
  • 道路は地中化したら?ちんちん電車を復活させては?
  • タクシーは駅に車を停められるが、個人の車は停められない。
★ Go Go Go グループ
  • 手がかかるようになっても、周りの方の支援を受けながら共に生きる。
  • 介護ロボット、料金によってサービス用のロボットを選べる、等はどうか?自分で決めて自分でしたい。
  • 重度化する人も多いが、街に気軽に出ることができ、いろいろな事に参加したい。
  • 若いころからの趣味を大切に、仲間や家族に歳をとる前に「こうしたい、こう行きたい」と話をする。
★ 喧々諤々グループ (けんけんがくがく)
  • 買い物に行きたいけど行けない。依頼された方もいけない。思ったものを買ってもらえない。依頼を受けた人もITを駆使しながら買う、とか。
  • そのためには仕組みとしてお金が必要。消費税、福祉税のアップ。国としてバックアップが必要。
  • 住について、認知症、高齢者の入る施設(ハード)の解決。認知症の施設をつくりたくても住民からの反対があって入れない、とか、住宅地には立てられない、とか、ルールがあってダメだとか。なぜ?自分たちが声をだしていく
  • 認知症にならないように予防。ゼロにならないのであれば、共存共栄していくために家族の理解が必要ではないか?
<まとめ>
○大枝良直氏

外出の機会、の話があった。外出の時に予約が必要、というのではおいそれと外出もできない、と。

ひとつは情報社会といわれて、携帯電話が発達。そういうハードで解決できるかもしれない。

周りの人とのつながりをもつ。今日の学生さんのボランティアの話をきいて、なるほど、と感動した。こういう活動を広げていく、というのがこれから必要じゃないかと感じた。 車社会はやめたほうがいい、という意見があった。基本的に、今は車中心。街の中心に大きな道路。街の端から端に行くのがつらくなってくる。ヨーロッパがいいといわれるのは、道幅が狭いからか?日本もそうしたほうがいいかもしれない。

市街地にもっと公共交通を入れた方がいい、という意見があった。LRTがある。LRTは電車のそばを歩いていても、揺れないので安全。同じ交通でもバスは近くを歩くと危険。LRTを入れると、かなり狭い空間でも人が歩く空間を手に入れることができる。

皆さんの意識の高まりが重要だと思うで、このような場を通じて、つながることが大事。

○芳村幸司氏

私は専門が建築士。どちらかというと、住宅内を専門にやっている。建築の世界は縦割りで、住居内は住居内、外は外の専門家がやっている。

ただ、FJCは縦割りだったものに横串をさしていくのが使命、と思いながら、今日の話を聞いていた。

今日の話の中で皆さんがやりたいな、と言っていることは全部、当たり前の話。わがままな話はひとつもない。当たり前のことを当たり前にやっていきたい、というのが望み。

なぜ当たり前のことができないのか?

自分は身体的に不安になってできないことがある→支援が必要→お願いするのは心苦しい→なかなか言えない→自分に対してのいろんなことがあきらめとなる→外出できなくなる、そんなことが起こっている。

玄関から外に出て行く、というのが住宅改造。

たとえばデイサービスに行くためだけに住宅改造をやるといっても、あまり効果はない。

そのときにしか使わないし、日々の生活の活性化にはつながらない。出て行く目的をもってもらう。そのために○○しようよ、としたい。

今日の皆さんの話を聞きながら、そんなこれまでの自分の考え方を振り返って、ご本人の行きたいところを作ってこなかったな、ということを感じさせられた。

「当たり前ができる」「お互い様」という中で支援をしあうのが当たり前なんだよ、と気づいた。

〜 ご協賛 〜
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