
写真でみせる 回想法 付 生活写真集・回想の泉
- 編者 志村ゆず(長野県看護大学) 鈴木正典(出雲市民病院)
- 著者 伊波和恵(東京富士大学) 下垣光(日本社会事業大学) 下山久之(松山福祉専門学校) 萩原裕子(野田看護専門学校)
- B5判 200ページ 並製2冊箱入(分売不可)
- 定価(本体2800円+税)
参加者には楽しく、援助者には使いやすい、写真を使った回想法の懇切マニュアル
この本は 回想に参加する人が見る写真集と、回想法を実施するときの解説書の2分冊担っています。医療、福祉、介護、緩和ケア、傾聴ボランティア、高齢者集会、公民館活動などあらゆる分野の方々が活用出来ます。写真集には昭和30年代を中心にした懐かしい、誰もが話題に入っていける厳選した写真30枚が収められています。また、若い実施者にも写真についてお年寄りと会話できるように、進め方のシナリオを用意しました。このセットがあれば、回想法の実践場面にも、回想法を教える教育場面にも万全です。
- 生活写真集・回想の泉
- 給食(上図)、駄菓子屋、お正月、めんこ、紙芝居、おつかい、運動会、授業参観、洗濯など昭和30年代を中心とした昔懐かしい30枚の写真を収めた写真集
- シナリオ篇・解説篇
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| シナリオ篇: |
「生活写真集・回想の泉」を使った回想法30のシナリオ |
| 解説篇: |
第1章=回想法とは 第2章=グループ回想法のすすめ方 第3章=高齢者の歩んできた時代の生活写真 第4章=生活写真を用いた回想法の実際 |
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シナリオ編 見本
新しい服
 長野県下伊郡阿智村(昭和31年7月24日)龍谷元一 撮影
キーワード
- 簡単服は、大正時代の末から昭和時代の初期にかけて流行した女性用の洋服です。デザインが単純で、裁断や縫製が簡単であったことから、この名がつきました。おもに夏用のもので、歩くと裾がパッパッと開くことから、地域によっては「アッパッパ」とも呼ばれていました。
- 日本で本格的にミシンの普及が始まったのは、明治時代の末期、アメリカ製のシンガーミシンによってでした。その後、国産のミシンの生産も始まりましたが、「ミシンといえばシンガー」と考える女性が多かったようです。戦後、戦災の復興期にあって、着物より活動しやすい洋服が好まれ、洋裁を習って自宅で洋服を仕立てる女性も多くミシンは急速に普及し始めました。
言葉がけの例
- (子供時代への問いかけ)着るものはお母さんに作っていただいていましたか。
- (親時代への問いかけ)お子さんには、自分で作られていましたか。(回想が展開されないときには、写真の感想を聞いてみましょう。)
- この女の子、とっても嬉しそう、満足そうな顔をしていますね。
- みんなが、この女の子に注目していますね。
実際の思い出話
- 着るものは何でも作ってもらったわ。いつできるかな、って楽しみでした。朝起きたときに、枕元においてあると、最高よね。母親は、朝着られるようにって夜なべで縫ってくれたのよね。(昭和8年生まれ、女性、群馬県)
- 簡単服って、雑誌の付録に型紙がついてたわね。襟とか袖とかついてない、誰でも簡単にできるワンピース。(身振り手振りをしながら)あの時は、足踏みミシンの前の、手回しミシンだったわ。(昭和4年生まれ、女性 神奈川県)
- この男の子、俺には関係ねぇなぁ、なんて顔してるよ。いい顔だね(昭和3年生まれ、男性、東京都)
お話の広げ方
第二次世界大戦後、物が十分になかった時代には、新しい服を作るために、よそいきの洋服や着物を仕立て直したり、さまざまな工夫がなされていました。それだけに新しい服は最高の贈り物であり、子どもたちは、物のありがたみ、用意してくれた親への感謝の気持ちを感じながら、大切に着ていたようです。
現代のように物が溢れていない時代に、どのような苦労や工夫をなさり、戦後を乗り越えていらしたか、その知恵に満ちた経験を教えていただく気持ちで、お話をうかがってください。
この写真は、新しい服を着て嬉しそうな、恥ずかしそうな女の子、それを取り囲む家族のようすが一つの作品のように写しだされています。もし回想があまり展開されない場合には、この作品にあう題名を考えてみたり、女の子だけではなく、おばあさんやお兄さんの立場に立って、何て言っているか、せりふを考えたりして、広げていくことも可能でしょう。(萩原裕子)
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